日本の精神科医・森田正馬がつくりあげた、神経症などに対する精神療法『森田療法』の成立経緯を、その生涯や発表した教育論などをもとに追う。 前著『森田療法の誕生―森田正馬の生涯と業績』の続編。 また『森田正馬全集』等にも未収録にもかかわらず、森田療法完成に深い関係がある “まぼろしの論文”「低能児の教育に就て」を、現代でも読みやすく修正し併載。

森田正馬の孫弟子・宇佐晋一が現代の「医師ー患者関係のとらわれ」を嘆き、正統なる修養的精神療法の真の姿を語る。

森田療法の治療対象は、社交不安症・パニック症・強迫症などの不安症に属する疾患である。また、うつ病や統合失調症の回復期にも応用が効き、がんなどの種々の難治疾患に悩む方々にとっても役立つものである。さらには広く一般の方々にも生きていく上での指針となり得るものである。本書は、著者がかつて勤務していた病院のデイケアにて、社会復帰プログラムの一環として１年間行った「ワンポイント森田」の実践を元に、生活上で困る場面にどう対処したらいいかという、「次の一手」に主眼を置いたものである。

心の関係した病気は、頭で考えて対処しようとするとさらに悪化することがよく見られます。 治そうとして必死に悩むのを止め、症状のことは一時横に置いておいて、気づいた目前の ことにふっと手を出しながら、生活リズムを整えていくことが最も治りやすいことに早く 気づくべきでしょう。

あって当り前なのに不安や恐怖をとり除こうとしていませんか。「そのまんまでいい」と自分を認め、活かすことで、自己治癒力が高まり、生きていく力がついてくる治療法。7つの質問で人生が動き始める“セルフレッスン”付き