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症状別アドバイス集

その他の部屋

「森田療法を深める」 '23.02 

Cさん。こんにちは。東京慈恵会医科大学附属第三病院精神神経科の半田と申します。

高校生の頃から不安や不眠に悩まれていましたが、森田療法をしっかり実践して今までうまく付き合ってこられたのですね。とても素晴らしいことだと思います。

さて、現在悩まれているうつ症状は、環境や体調の変化もあり、どこか、今までと違うなと感じておられるのですね。更年期症状については、書かれているように時期が過ぎれば落ち着くと思われますが、たとえば昔と比べるとぱっと動けなくなったなとか、我慢がきかなくなってきたなとか、そういった変化は、年齢とともに訪れる自然な変化なのかもしれません。時の流れには従うしかない。けれどもそれは、嫌なことばかりでもないのではないかと思います。もしかしたら、若い頃は疲れを感じていても気合でカバーしてあれこれ動けたり、不安を感じていても我慢して待つことができたりしていたのかもしれません。それはそれで、若い頃の森田療法との付き合い方としてはいいのだと思います。ただ、森田療法のうつとの付き合い方はそれだけではなかったりします。疲れを感じた時は、無理せず休む。不安を我慢するのではなく、不安だなと感じながら待つ。そんな、ある意味武術の達人のような、余分な力の抜けた森田療法の使い方ができるようになるのは、たくさんの人生経験を積み重ねた現在だからできることの一つなのではないかと思います。
(半田航平)

「上司への態度に工夫を」 '23.01 

Nさんは職場での上司との関係に悩んでいらっしゃるとのことでした。指摘が多く気持ちが折れそうになりながらも、不安はそのまま、やることをやろうと思って、少しでも仕事でできることを増やそうと頑張っていらっしゃるのですね。

仕事は期限もありますし、助言や相談を求めている部分と違うところを毎回指摘され、仕事内容については結局話せないとなると、仕事も捗らず、フラストレーションが溜まられることと推察します。そういう状況であれば、上司の人に対して嫌な気持ちになるのは自然なことだと思います。 前任者も続かないということになると、上司の方に問題もありそうな気もします。理不尽なことや内容が一貫性のないことばかりで指摘することで憂さ晴らししているような形でしたら、今の場所が仕事の全てではないので他の方同様に異動も選択肢だと思います。

ただ逆の立場になってみると、上司の方もうまくいかない現実に心に鬱屈したものがあり、常にも増して、自分のプライドを傷つけられることに過敏になっているのかもしれません。人間誰しも厳しく指摘されれば、その人に対して嫌な気持ちになるのは自然なことだと思います。 ただそれが態度に出てしまっては、過敏になっている相手の神経をより逆撫ですることに繋がりかねません。例えば、苦手な人にはその人と話したくないと思って避けたり、指摘されないように仕事を完璧にやろうとして、報告が後手に回ることもよくあります。自身の身を守るためにも、いい意味で相手の顔色を見て、柔軟にやり方を変えることは処世術の一つです。

なので、上司への気持ちは変えずに、態度を工夫してみてください。挨拶、言葉遣いに気をつけ、敬意を感じられる態度に変えることをおすすめします。周囲に上司の方とうまくやっている同僚がいたら、真似してみる、はやめにホウレンソウ行うことも一つです。ここでポイントは上司への嫌な気持ちはそのまま起こしながら、その表現のみ控えて、行動を建設的にということです。また、社会人になってホウレンソウなどのやり方やお作法を一から指導してくれる人は少ないものです。ご自身でも苦手と思われているコミュニケーションを学ぶ、チャンスかもしれません。つらくなったらまた皆さんと話したり、森田の教えを思い出して、お仕事頑張ってください。
(市川光)

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