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症状別アドバイス集

強迫神経症の部屋

「緊張や震え以外のことにも目を向けて」 '22.3 

Oさん、こんにちは。人前で緊張することに悩んでらっしゃるのですね。幼い頃から人前で話す機会を極力避けてこられた一方で、就職してからはそうした機会が避けられなくなっているとのこと。定期的に朝礼の担当が回ってきて、その度に、足がガクガク震えるほど緊張してしまうのですね。 Oさんの大変なご苦労をお察しすると共に、苦手なことに取り組まれているOさんの姿勢に敬服いたします。

Oさんは朝礼について、「何日も前から気分が落ち込む」、「誰かが朝礼をしているのを見るだけでも気分が悪くなる」といったことを書かれていますね。また、「特に震えた日には、その日一日朝礼のことが頭から離れなくなり、死にたい気分になるし会社を辞めたくなる」ということも書かれています。朝礼を巡って、Oさんがとても辛い気分になり、そのことで頭がいっぱいになっていることが推察されます。

緊張や震えは心地が悪いので無くせたら良いのですが・・・実際には、無くそうと意識を向ければ向けるほど、それらがますます強く感じられてしまうという落とし穴があります。oelolb6iさんとしても、今の行き詰まりをどうにかしたいと、この体験フォーラムに書き込みをされたのではないかと思います。

では、このような時に、森田療法の視点からどう考えていくと良いでしょうか。森田は次のように述べています。「人生観の第一の条件とする観点を何におくかということについて、自分の気分を第一におこうとするものを気分本位というのである。毎日の価値を気分で判断する。今日は終日悲観しながらも、一人前働いたというときに、悲観したからだめだというのを気分本位といい、一人前働いたから、それでよいというのを事実本位というのであります。」つまり、緊張や震えの有る無しによる気分の変化を第一におく(気分本位)よりも、必要なことができたかどうかを第一におく(事実本位)姿勢をすすめているのです。

Oさんの場合はいかがでしょうか。朝礼についての自分の評価が、気分に傾いているとしたら、今一度事実にも目を向けてみてください。例えば、発言の内容は必要なことを言えているでしょうか?声の大きさは、朝礼の参加者に聞こえる程度に出ているでしょうか?目線は前を向いているでしょうか?そうした実際の事実において必要なことをやれているとしたら、朝礼でのOさんの役割はまず果たしているのだと認めてあげてくださいね。もしも、そうした点で工夫できそうなことがあれば、そちらに力を注いでいかれることが重要です。

Oさんの視野が広がって、緊張や震えに着目する比重が小さくなると、結果的に少しずつ、少しずつ、緊張や震えが気にならなくなっていきますよ。せっかく苦労して苦手な場面に取り組んでらっしゃるのですから、Oさんの体験の中の、出来ている事実にも目を向けながら過ごされてください。Oさんの努力が報われることを願っています。
(金子咲)

「薬で自分を判断しないのが薬から離れる道」 '22.2 

Lさんは人前で話をする時の声の震えに悩まれていました。人前に立つ以外でも常に人からどう思われるか、自分は恥ずかしい存在ではないかという思いがあり、人と関わることに苦手意識・疲労感を強く感じていたとのことです。

ちゃんとして見える自分を壊したくない気持ち、すごい人と思われたい気持ち、自分のままで自由にできることをやっていきたい気持ちなど、自分の中にさまざまにある気持ちを良く見つめ、良く自覚されています。自分の問題に腰を据えて向き合うことは勇気が必要だったと思いますが、よく踏み出してみましたね。

この不安さえなければという姿勢ではなく、自分がどうしていきたいかに力を注げているLさんはすでに治療も半ばに差し掛かられていると思います。職場の会議の発表に臨み、発表と共有という行動自体に喜びと達成感を感じたのは良い経験をされたと思います。

Lさんはこうやって自分の仕事や考えを共有し、相手からコメントを受けて、そのやり取りをしていくことにとても喜びを感じることの出来る方なんですね。そのことを大切にしてください!

そして、ご本人や他の方も言及されていたように、薬の必要がない自分を目指すのではなく、今回の発表の時のように、自分の仕事・生活の中で必要なことに一つ一つ臨んでいくのがとても大切です。発表時に、薬が半錠で済めばそれでよいですし、1錠飲むことがあったとしてもそれは失敗ではありません。薬の量ではなく、発表を通して伝えるべきことを伝えられたのであればOKで、他にも発表後のやり取りから何を得られたかなどを大切にしてください。

仕事でどう工夫するかを考えていくうちに、仕事での自信も付き、こだわりのポイントも変化して、次第と薬へのこだわりが減っていくものです。そうすると意外に薬を飲み忘れることが出てきたりするものですよ。
(矢野勝治)

「本来の欲求・気持ちを大切にする」 '22.1 

Tさんは「誰かを傷つけるのではないか」と言う考えがふとよぎったり、人とすれ違うだけで「傷つけたのではないか」という考えがよぎったり、といった加害恐怖で悩んでいらっしゃいます。このフォーラムで勉強されて、少し良くなったそうですが、現在は運転時の加害恐怖からドライブレコーダーを見たり、元の場所を確かめたりと確認行為をしてしまうようです。そのことで「運転をやめなくてはいけないのか」「運転をやめることが逃げなのか」とも悩んでいらっしゃいます。

頻繁に「人を傷つけたかもしれない」と感じるのは辛いですよね。それだけ人を傷つけたくないという思いが強いのでしょう。一般にそんな思いの強い人は実際にすれ違うだけで人に危害を加えてしまうことはないのだろうと思います。ですので、今までTさんが実際に誰かに危害を加えたということはないと思います。

運転に関してですが、必要でなければ、運転しなくてもいいと思いますし、それは逃げというものではないと思います。ただ、一方で、運転することが生活に必要なのであれば、あるいは、Tさんが運転することが好きで楽しいのであれば、諦める必要もないと思います。いずれにしても、現在、Tさんは運転時の加害恐怖が強いということですが、一般に強迫観念や行為というのは、形を変えて色々と出てくることが多いので、運転をやめさえすれば、解決するというものでもないとも思います。

強迫観念というのは打ち消そうとしたり、考えないようにしよう、とすればするほどますますその観念にとらわれてしまうものです。ですから、Tさんが実践されたように、なんとか強迫行為(確認)をせずに、サッと次の行動に手をだしていくことが大切です。もちろん、運転の際には後から「ぶつかってなかったか」と注意するのが一番重要なのではなく、常に(事前に)周囲に注意を払って「ぶつからないように」安全に運転することが必要ですよね。

今後も粘り強くTさんの「不安だけど、ご自分の本来の欲求・気持ちを大事にして、目の前のことに取り組んでいく」という姿勢を大切にして、日常生活を送っていただければと思います。頑張ってください。応援しています。
(谷井一夫)

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