スマートフォン専用サイトはこちらをタップ

神経症を治す〜神経症(不安障害)の治療方法

薬物療法への接し方(症例と解説)

現代の神経症の治療と森田療法。

最後に森田療法はいうまでもなく、神経症の精神療法です。その対象は、大まかにいってしまえばDSM-IVでいう不安障害とその周辺領域の障害が含まれます。森田はその治療対象を、普通神経質(心気症的不安と身体へのとらわれ)、発作性神経症(今でいうパニック障害と関連領域)、強迫観念症(強迫性障害や恐怖症、特に対人恐怖・社会恐怖)と分けました。しかしその本質的差異は認めず、そこには共通の病理があるとしました。それが森田のいう「とらわれ」です。今回はパニック障害の一例を紹介しました。つまりパニック障害以外にも現在は神経症、つまり不安障害の治療に薬物療法は多く使われるようになりました。しかしここで強調したように、薬だけでは神経症の治療が終わりません。終わりなき薬物療法となってしまう危険性もあります。薬物療法はある時期には神経症の治療に必要です。しかしそれだけでは治りません。不安を受け止めていける心の態度を作り、健康な欲望を発揮すること、つまり今までの生き方を修正することが、治ることへとつながるのです。いたずらに神経質者は薬に対する不安感をつのらせるのではなく、森田療法における薬への接し方を大いに参考にしていただきたいとおもいます。

SEMINAR

Copyright (C) 2009 The Mental Health Okamoto Memorial Foundation