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神経症を治す〜神経症のタイプ(類型)

神経症には様々なタイプがあります。その中でも代表的なものを説明します。

社会不安障害(恐怖症)

いわゆる恐怖症(社会不安障害)と呼ばれる神経症です。大勢の前で話をしたり、初対面の人と合うと緊張したり、恥ずかしいと思ったりするのは日常的に誰もが経験する事です。しかしこのような状況や行為から生じる不安や緊張、身体の症状が、日常の会話や発言にまで支障をきたすほど著しくなり、そのような社会状況や行為を避けたくなってしまい、結果、学校や会社に行けない等、社会生活に支障が出てしまう状態です。

症状としては、いわゆる「対人恐怖」「赤面恐怖」「外出恐怖」等々、不安や緊張、身体的症状から人や社会から接触を避けるような状態が多いようです。社会不安障害には、大きく2つの種類があります。

広場恐怖

普通は危険ではないが、特定の状況や対象によって強い不安が引き起こされる病態です。例えば、広場のような人が多くいる空間、街中の雑踏、電車やバス等の乗り物など、種々の空間に対する恐怖症です。

社会恐怖(対人恐怖)

対人恐怖とも呼ばれ、人前で発言したり、字を書くときに手が震える等、他人から注目され、批判されたり恥ずかしい思いをするのではないか、というような恐れがその中心にあります。
社会恐怖は、その病状から赤面恐怖、表情恐怖、視線恐怖など種々の状態により恐怖する内容が異なるようです。また蛇やクモ、地震や雷、暗闇、閉所、血液、怪我の目撃など特定の対象に対する恐怖もあります。

パニック障害と全般性不安障害(不安神経症)

恐怖症とは異なり、特定の状況に限定されないで、不安が出現する症状です。主なものに、パニック障害と全般性不安障害の2つがあります。

パニック障害

パニック障害は、パニック発作の反復を特徴とします。パニック発作は不安発作とも呼ばれ、「このまま死んでしまうのでは」「気を失って倒れてしまうのではないか」など強い不安や恐怖と共に、動悸、頻脈、胸痛、吐き気、発汗、めまい、呼吸難感など種々の自律神経症状が突然出現し、その状態が数分〜数十分持続するものです。患者はしばしば病院に駆け込むのですが、たいていの場合、着いた頃には症状はひとりでに消失します。

全般性不安障害

例えば「何かの病気になるのではないか」「家族が病気になるのでは」など、様々なことが心配になって落ち着かず、常に緊張してリラックスできない上、震え、筋肉の緊張、発汗、めまい、頭のふらつきなど多彩な身体症状を伴います。

強迫性障害(強迫神経症)

反復する強迫観念や強迫行為を主な症状とし、昔からある神経症の代表的な類型のひとつです。強迫観念とは、心に繰り返し浮かぶ不快な考えやイメージで、本人はそれが無意味であるか、又は過剰であるとわかっていてもそれを打ち消す事ができず、せきたてられるのが特徴です。内容としては、過失や不潔に対する恐れ、他人や自分に危害を加える恐れなどが多く見受けられます。

強迫行為は、強迫観念に伴う不安を打ち消すため、自分でもばかばかしいと思いながら、繰り返さずにはいられない行為の事です。
例えば執拗な手洗いや入浴、鍵など危険や見落とし、縁起等の確認行為等が最も一般的です。

気分変調症(抑うつ神経症)

不安や恐怖など一般的な神経質症状と共に、憂鬱な気分や心が晴れないなどの軽いうつ状態が続きます。最近では、大うつ病(単極性うつ病)との違いを、うつの程度と持続期間によって区分され、気分変調症(抑うつ神経症)は、「二年以上に及ぶ慢性の軽うつ状態を示す」状態を呼びます。気分変調症の場合には、大うつ病の患者に比べ、一般的に病識は保たれている反面、神経質的な性格から心理的な葛藤が生じやすい傾向を持ち合わせている場合が多いようです。
また近年、神経症の人が、大うつ病になる合併率も少なくない事が明らかになってきています。

解離性障害(ヒステリー性神経症)

この障害は、何らかの精神、身体的機能が意識から解離して意思によるコントロールが失われた状態です。従来はヒステリーと呼ばれていました。
一般的に、背後には解決困難な問題や対人関係の葛藤など心理的原因が認められます。しかし本人はそれを否認する傾向があります。例えば、最近のつらい出来事の記憶が部分的に失われたり、身体に病気がないにもかかわらず、麻痺して立てない、歩けない、声が出ないなどの運動障害やけいれん、知覚の麻痺などを生じます。

身体表現性障害

身体表現性障害は比較的新しい名称です。このグループの特徴は、身体的な基盤がないのに、身体的な症状を訴え、医師が「何も問題ない」と保証しても、医学的な検索を繰り返し求めて原因を執拗に追求するタイプです。

身体化障害

これは女性に多く、身体の色々な部位に症状が起こり、しばしば変わるというのが特徴です。よくあるのは消化器系の痛みや吐き気、皮膚の異常感覚など。タイプ的には、ヒステリーに近いといえます。

心気障害(心気症)

がんのように重度な病気にかかっているのでは、という頑固なこだわりがあり、執拗に検査や診察を求めるという傾向があるようです。また自分の顔がひときわ醜いとか、体型がひときわ見苦しいといった非現実的な考え方にとらわれる恐怖症も、このタイプに含まれます。

身体表現性自律神経機能不全

これは自律神経のある系統に限ったところに気質的な問題があるかのようにして起こるもので、自律神経失調症と言われているような症状です。これには心臓神経症、胃腸神経症、過敏性腸症候群、心因性の咳きや頻尿など色々なものが含まれます。

持続性身体表現性疼痛障害

これは慢性疼痛といわれ、実際には体に気質的な痛みの原因の基盤がないのに頑固な痛みが持続するのが特徴です。

離人性障害(離人神経症)

通常は離人症と言われています。本来は、ヒステリーと同じように病気として扱われていましたが、離人感の強い神経質もいますので、この様に呼ばれています。
離人症とは回りに沢山の人がいても、離人感が強く、孤独を感じる症状です。

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