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神経症を治す〜神経症(不安障害)の治療方法

薬物療法への接し方(症例と解説)

新しい治療法(精神療法)の模索

わたくしはAさんに対して森田療法に基づく初期面接を行いました。Aさんと同伴した奥さんにAさんの陥っている悪循環について説明しました。心臓のぴくっとした感じに不安を起こし、その不安が胸の不快感を強め、それがまた不安を引き起こし、不安発作となることをまず話しました。

それから、そのような不安発作に陥るまいとすると予期不安を起こし、結局は自分で自分の不安を増大していると説明したのです。

薬物療法は不安発作にはある程度有効であるが、それだけではAさんの治療はうまくいかないことをはっきりと伝えました。

そしてAさんの状態は不安が不安を呼ぶ状態になっていること、Aさんの注意は常に不安と自分の体の状態に引きつけられ、その結果さらに不安を鮮明に感じてしまうことを説明します。「これは一種の視野狭窄です」と説明すると「まさにその通りです」とAさんはうなずきます。

その上でAさんに森田療法の治療原理、不安を排除することから受け入れていくこと、不安を逃れる行動から不安とともに建設的な行動を行うこと、を助言します。「今までAさんのやってきたことと正反対のことです。発想の逆転ですよ。そして不安におびえ、不安を取ろうとするだけの今までの人生から、健康的な自分の欲望を見つけ、それを発揮する人生への転換が必要ですね」と説明しました。

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