- 第1期(絶対臥褥期)
絶対臥褥(ぜったいがじょく)期ともいい、患者さんは終日個室に横になったまま過ごします。食事、洗面、トイレ以外は一切の気晴らしは禁じられます。あらかじめ患者さんは「不安や症状は起こるままにしておく」よう指示されます。
最初の1〜2日は心身の安静が得られますが、3日〜5日目頃には過去や将来に様々な連想が広がり、しばしば強い不安や苦悩に襲われるようになります。この時に不安をそのままに堪え忍んでいると、悩みが急速に消失することもあり、これを森田療法では「煩悩即解脱」と呼んでいます。
その後6〜7日目には退屈を感じて心身の活動欲が高まってきます。これがその後の治療の足がかりとなるのです。
- 第2期(軽作業期)
軽作業期と呼ばれ、4日〜1週間程度の期間です。心身の状態を多少欲求不満状態において、活動欲を促すことが目的とされます。患者は庭に出て外界の観察を行い、徐々に軽い仕事をしていくのですが、作業に関しては外から課すのではなく、自発的に気づいた事に向かわすのが原則です。
またこの時期から日記指導を行い、週に1〜3回程度、主治医との個人面談も行います。この頃には不安が再燃したり、作業に疑問を抱いたりと心が揺らぎやすい時期にあたります。
この時に、不安や疑問をそのまま抱えながら体験を積み重ねるよう指導されます。
- 第3期(重作業期)
重作業期とも呼ばれ、1〜2ヶ月間程度、弾力的に設定されています。軽作業期とは違い、他の患者さんとの共同作業が大きなウェートを占めるようになります。具体的には、小動物の世話、園芸、木工や陶芸、料理など様々なものがあり、起床、配置、風呂掃除などの当番も分担します。
この時期の目的のひとつは、仕事に対する価値感情を棚上げにして、何にでも取り組み、達成感を体験することにあります。またこの時期はテンポのよい現実に即した臨機応変の態度も指導されます。
この過程は実践を通じて、患者さんの症状中心のあり方から事実に即した態度へと転換をはかることが目的となります。
- 第4期(社会生活への復帰)
第4期は社会生活への復帰期であり、1週間〜1ヶ月程度です。この時期は外出、外泊を含めて社会復帰への準備期にあてられ、事情に応じて院内からの通学、通勤なども許可されることもあります。