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森田療法の基本
    3.森田療法の治療方法

    森田療法には、大きく「入院療法」と「外来療法」の2つがあります。森田療法は元来、入院療法が基本でしたが、入院先などの問題もあり、最近では通院治療の外来療法が中心になりつつあります。
    最近では、重度や長期の方には入院療法、比較的軽度で短期の方には、通院による外来療法が基本となっています。

    1. 入院療法

      入院療法は、第1期〜第4期までの治療期間で構成されています。

      1. 第1期(絶対臥褥期)

        絶対臥褥(ぜったいがじょく)期ともいい、患者さんは終日個室に横になったまま過ごします。食事、洗面、トイレ以外は一切の気晴らしは禁じられます。あらかじめ患者さんは「不安や症状は起こるままにしておく」よう指示されます。

        最初の1〜2日は心身の安静が得られますが、3日〜5日目頃には過去や将来に様々な連想が広がり、しばしば強い不安や苦悩に襲われるようになります。この時に不安をそのままに堪え忍んでいると、悩みが急速に消失することもあり、これを森田療法では「煩悩即解脱」と呼んでいます。
        その後6〜7日目には退屈を感じて心身の活動欲が高まってきます。これがその後の治療の足がかりとなるのです。

      2. 第2期(軽作業期)

        軽作業期と呼ばれ、4日〜1週間程度の期間です。心身の状態を多少欲求不満状態において、活動欲を促すことが目的とされます。患者は庭に出て外界の観察を行い、徐々に軽い仕事をしていくのですが、作業に関しては外から課すのではなく、自発的に気づいた事に向かわすのが原則です。

        またこの時期から日記指導を行い、週に1〜3回程度、主治医との個人面談も行います。この頃には不安が再燃したり、作業に疑問を抱いたりと心が揺らぎやすい時期にあたります。
        この時に、不安や疑問をそのまま抱えながら体験を積み重ねるよう指導されます。

      3. 第3期(重作業期)

        重作業期とも呼ばれ、1〜2ヶ月間程度、弾力的に設定されています。軽作業期とは違い、他の患者さんとの共同作業が大きなウェートを占めるようになります。具体的には、小動物の世話、園芸、木工や陶芸、料理など様々なものがあり、起床、配置、風呂掃除などの当番も分担します。

        この時期の目的のひとつは、仕事に対する価値感情を棚上げにして、何にでも取り組み、達成感を体験することにあります。またこの時期はテンポのよい現実に即した臨機応変の態度も指導されます。
        この過程は実践を通じて、患者さんの症状中心のあり方から事実に即した態度へと転換をはかることが目的となります。

      4. 第4期(社会生活への復帰)

        第4期は社会生活への復帰期であり、1週間〜1ヶ月程度です。この時期は外出、外泊を含めて社会復帰への準備期にあてられ、事情に応じて院内からの通学、通勤なども許可されることもあります。

    2. 外来療法

      患者さんは主治医などの治療者から日記指導による治療が中心になります。また森田療法の自助グループである、生活の発見会などの集団学習会を活用する場合もあります。

      1. 日記指導とは

        日記指導は、主としてその日の行動の記載をします。ポイントとしては、毎日の行動の事実を中心に記載し、その時の感情や気分にとらわれないように注意を促します。そして毎日の行動を日記につけ次回の受診時に治療者に見せます。治療者は森田療法の立場からコメントを加え指導します。

        また最近の日記療法には、伝統的な森田療法のそれとは異なるやり方も実践されています。例えば治療を始めるに当たり、患者に「どんなことであっても、それが症状であっても、不満であっても、怒りであっても、感じたままに書くこと」を勧めます。それはその人がさまざまな感情を中心に、行ったこと、考えたことなどの体験を一日の終わりに振り返り、それを見つめて、主体的に書くことを重視するからです。

        また、 伝統的な入院森田療法では臥褥期が終わり、軽作業期から日記療法を始めます。入院者はその日の夕方に日記を記載し、次の日の朝に治療者に提出します。治療者は毎日それについて森田療法の立場からコメントを加えます。

          【日記指導の意味と効果】

        • 悩んでいる人にとって、その日の夕方に日記をつけるということは、その日の出来事を振り返り、みずから内省する契機となります。
        • その人自身が主体的に自分の不安、感情を自分なりに受け止めて行こうとする態度を助長します。
        • 治療者との日記を通したやりとりは、精神科面接、カウンセリングに匹敵するもので、自己理解を深め、不安などの感情を受け止め、それを消化し、自分のあり方を修正する原動力となります。
        • 記録として残るので患者は治療者の日記のコメントを何回となく繰り返して読むことが可能となり、そこから十分時間をかけて自己修正ができます。

      2. 自助グループの活用・生活の発見会

        生活の発見会の詳しい内容はこちらへ

        「気軽に行こう、精神科」中村 敬 著/白揚社 より


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