
- 恐怖突入の重要性'98.11
- 不安神経症、不安発作、パニック症候群あるいは不安神経症からアルコ−ル依存へと発展した方など不安神経症に関する多くの問題がここで述べられています。言うまでもないことでしょうが、一応教科書的に不安神経症をおさらいしておきます。不安神経症は不安発作(パニック発作)と予期不安からなります。不安発作には薬物療法が、そして予期不安には精神療法が必要だと現代の精神医学では理解しています。そんなに単純なものであるかどうかは疑問ですが、森田療法は不安神経症に効果を上げています。森田先生の論文を読みますと、外来でいわゆる森田先生の説得によって治った不安神経症の例が報告されています。治療の主眼はやはり予期不安を打破して、不安のままに行動をしていくことです。恐怖に突入することの重要性は、最近になって欧米でも不安神経症の治療の重要な点であると力説されるようになりました。ここでの体験談もやはり恐怖突入の重要性を経験したと述べられています。勇気を持って踏み込んでみること、それにはそのような体験をした人の体験談を聞いたり、アドバイスをもらうことも大切でしょう。
- 一人で悩みをかかえずに..'98.12
- 不安にとらわれ、悩んでいても1人で問題を解決しようとしないでください。自分のつらい気持ちを理解し、サポ−ト出来る人たちと対話を続けることが大切です。どうしても人はつらい思いをすると、心を閉じてしまい、そのことが自分のつらさをさらに強めます。またそのことが心を閉じさせ、自分の孤立感を強めてしまいます。私はこのフォ−ラムでの会員の皆さんのやり取りが、ともすれば閉じようとするわれわれの心を開かせる重要な手段と考えています。皆さんの積極的な反応をお待ちしています。
- 良き理解者が世界中に..'99.1
- このグル−プでは、海外在住の方とのやりとりも盛んに行われており、まさにインタ−ネットは世界をかけるというわけです。海外での限られた情報、手段でもインターネットを通して得ることは多いと思います。世界のどこかに自分の悩みの理解者がいて、必要な情報を提供してくれるという安心感は何物にも代え難いと私は思います。
- 症状の自己理解'99.2
- 「森田療法では症状の話はそれを拡大するので、なるべく避けるようにといわれ悩んでいる...」。私は、最初症状をきちんと伝えてもらうようにします。なぜならば悩んでいるとき人は症状のことで頭がいっぱいになり、そのことをいうなといわれても困ってしまうからです。そして症状を話しあうことから自分がどのように症状にとらわれているのか、自分で自分の症状を強めていないか、などを理解してもらうようにします。症状をきちんと客観的に見ることは、自己理解の第1歩です。そこをまず理解しないと、次の現実の生活への踏み込むという段階さらには不安の受容という段階に行きません。ざっくばらんに発見会などで自分の悩みを伝えて、自分のことをしっかり理解するようにしてみたらいかがでしょうか。「森田の本を薬のかわりに」。お薬を飲んでいる方も、森田の本を読むことで勇気が出て、薬を減らすことが出来るかもしれません。ただし薬を減らすときには、担当のお医者さんに相談してから、試みてください。
- 行動すること'99.3
- 不安神経症で悩んでいる方が次第にそれを克服して、さらに一歩ステップアップを望む時に森田療法は確かに役に立つでしょう。このフォ−ラムに思い切って踏み込んだこと自体が、このような踏み込みが変化をもたらすことと思います。不安を自分のものとしてどのように付き合い受け止めていくか、私たちの人生の課題です。その取り組みから私たちの生き方が見えてくるのです。フットワ−クのよさが鍵ですね。
- 体の症状で悩んだら..'99.4
- 身体的症状についてのつらさが述べられています。身体的症状の場合も「なすべきことをなす」でいいのだろうかと不安に感じられているようです。もちろん身体的症状があった時には、それに見合った身体の病気があるかどうかが問題です。それがなければ、今までと違った角度で考える必要があるでしょう。私たちの心と体は私たちが考える以上に密接な関係があります。では身体的症状をどのように受け止め、自分なりに付き合っていったらよいのでしょうか。心と体を自分の体験の中でつなぐものが行動、生活の中での目的にそった行為です。行動を通してそのような身体的、より正確に言うと、心身にまたがる症状の変化を体験できるのです。それと共にいかに自分の体と心が密接につながっているかを実感でいると思います。そこから身体的症状を持ちながら生活する上でのヒントが得られると思います。
- 不安を受け入れること'99.5
- 不安にとらわれ悩み、すべてが悲観的で安心できる場所がない...森田の世界にその場所があるのだと思います。
確かに、われわれが苦しいのは、悩むこと自体でなく、その悩みの解決が見出せない場合です。森田は確実に自分がどのようにとらわれ、自分で自分の悩みを拡大していくかを教えてくれます。そしてその悩みの本質的解決は不安を取り除くことではなく、それを受け入れると共に、自分の本来の欲望の発揮であると考えます。
- 態度の変化が大切'99.6
- 不安神経症でつらいのは発作そのものよりも、発作を恐れ、人前で取り乱すのを恐れ、そのようなことが自分の弱点、欠点だと悩むことです。それが発作への予期恐怖となり、苦手な場面を回避し、世界を狭めてしまします。
つまり症状を解決することは、症状そのものでなく症状に対する態度、それは人生に対する態度と同じですが、それが変化したときに変わっていくものだと思います。
- 不安を受け止める心の器'99.7
- 自分の不安を行動と切り離せるようになったということは、結局不安をそのまま受け止めていけるようになったその人の心の成長であると私は考えています。これは単に不安に耐えることだけでもなく、行動することだけでもなく、不安を抱きかかえるこころの器が大きくなってきたことを物語ります。
- 症状を持ちながらも..'99.8
- 症状が出たことに落ち込んで、行動したことを後悔する−これは森田療法を実践すると必ずぶつかる壁です。行動は症状を打ち消すためのものではありません。このように症状を持ちながら行動すること自体が自分を成長させていくものと理解してください。症状を持ちながら、それをそのままにしながら、何かに取り組めるということは確実にその人の成長につながります。
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- パニック障害'99.9
- 昨今とみにマスコミでも取り上げられるパニック障害。現に多くの皆さんが悩んでいます。森田先生が外来での治療でもっとも得意としたのが、この発作性神経症(いまでいうパニック障害)です。森田療法を学ぶことで得ることが多いはずです。
そして一つだけ付け加えますと、恐怖突入という言葉があります。これは、ただ闇雲に恐怖に突入するのではなく、その恐怖の直面し、恐怖に漂い、そして恐怖をそのまま受け止めていく心の器を作っていくのです。つまりその人が成長するためには必要なことだと思います。
- パニック障害(その2)'99.10
- パニック障害を解決するためには、パニック発作やそこから生じる恐怖症をしっかりと自分で観察し理解することが大切です。薬物療法は必要ですが、そればかりに頼ると問題は解決しません。やはり不安に対する心の態度をしっかりと作ることが重要です。
フォーラムでは、人間関係にまつわる感情について述べられました。過去から現在までわれわれはさまざまな感情を体験し、特に傷つけられた感情体験は、いつまでもその人を苦しめます。その解決は時間をかけて、「今ここで」の生活を充実させるしかないように思います。そこから違った過去、今までと異なった人間理解が出来てくるようです。
- 生の欲望と恐怖'99.11
- ここではさまざまな不安が述べられています。歯医者に行くこと(私も大嫌いで、恐怖を感じます)、乗り物に乗ること、自分の呼吸が気になること、そして父親に対する悩みなどです。われわれが生きていく上で不安、恐怖はつきものです。生きたいという欲望(森田療法では生の欲望と呼びます)があれば、その背後に恐怖があります。そこでは不安、恐怖に対してそれが生きる上で自分が引き受けていかざるを得ないものと覚悟することが大切です。不安から逃れたいと思えば思うほど不安はつのります。これが不安の逆説です。不安の対処には、まず不安を除くことではなく、不安を自分で作り出し、自分で強めないことを心がけることが大切です。
- 心からの悲しみは'99.12
- フォーラムでは、癌にかかったお父様を持つ方と、お父様をなくされた方のやり取りが心を打ちました。このような気持ちをここで話し合うことは重要なことです。悲しいときに心から悲しめることがうれしいときには本当に喜べる心を作るのだと思います。
森田療法はまた現実の病に私たちがかかってしまったときに、どのような心構えを持てばよいのかを教えてくれるものだと思います。お二人のやり取りを見ながら、考えさせられました。
- 「クスリ」について'00.1
- 私も著者の一人として名を連ねている「心に効くクスリ」という本の題名にちなんで、今回は不安神経症とクスリの話をいたしましょう。
不安を考える場合、急性期(不安発作が主)と慢性期(予期不安、恐怖症としばしばうつ状態を伴います)に分けるとわかりやすくなります。急性期の不安発作の治療は、薬物療法が主となり、不安に対する心の態度はこの薬物療法に平行して作っていくものです。そして薬物療法によって不安が軽減し、不安を受け入れる心の態度ができあがるとともに薬物の減量が可能となります。
しかし多くの場合は、残念ながら慢性的な経過を取ります。慢性期の不安は、薬物療法が従で、不安に対する心の態度を作ることが主となります。そしてしっかりと不安を受け入れる態度を作ってから、クスリを減量することが大切です。それまでは焦らずに、上手にクスリに頼ることも大切です。不安に対する心の態度が進んでくれば、必ずクスリは減らせたり、最終的にはやめることが出来ます。クスリの飲むということに対する自分の気持ちを処方してくれる先生に率直に伝えながら、減量なり、やめる方向に行く方がよいでしょう。
- 不安神経症の薬物療法について'00.2
- 不安神経症の薬物療法は、最近とみに発達してきました。すくなからずの人が、薬物療法で軽快し、そのまま治療を終えることが出来ます。しかし残念ながら多くの人は治療が長引いてしまいます。特に神経質傾向のある人、つまり完全主義的な傾向のある人です。不安も完全に取りたいと望んでいるうちに逆に不安にとらわれてしまうのです。
治療が長引いた場合に、その不安にけりを付けることが出来るのは、やはり不安を受け止めるこころの器を大きくするような経験が必要です。それには森田療法が役に立ちます。
- 完全主義者'00.3
- 人が悩み出すと自分で気づかないうちに片寄った完全主義者となります。つまり悩む人は多かれ少なかれ完全主義者です。
人に頼ることことも時には必要です。人が完全主義者となりますと、行動は極端になりがちです。極端に人に頼るのをやめてみたり、頼りすぎたりしてしまいます。そのような自分を理解し、ほどほど60点主義で物事に取り組んでいけるとよいと思います。
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- 悩みについて'00.4
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- 仕事上のことで不安となり落ち込んだりした時に、とりあえず1週間だけでも頑張ろうと短期の目標を立てて頑張っている方がいます。このような具体的な目標は行き詰まったときには重要です。とりあえず出来ることから手を出していくことが、悩みを自分で受け止めていく力をつけていくようです。また同じような悩みを持つ友人と話し合うと勇気づけられるようです。これも大切なことです。私たちの悩みで一番苦しいのは、なぜ自分だけがこのように苦しまなくてはならないのか、と思い悩むときです。それがさまざまな恨みつらみ、人への羨望となり我々を苦しめます。このような時に率直に自分の悩みや自分の弱みと思っていることを友人に相談することです。多くの場合は自分の悩みが決して自分だけのものでなく、他の人に同じよ
うな悩みをかけていることに気づきます。そのことが私たちをずいぶん楽にしてくれます。
- 不安とうつ'00.5
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- 最近の精神医学の研究から、以前ほど不安とうつははっきり分かれたものではなく、極めて近い関係にあることがわかりました。従ってその治療は、薬物療法と精神療法が主な方法となります。しかしこの治療の最終的な解決
は、今までも何回となく強調しているように、不安を抱えていけるこころの器を育てることです。なぜ自分がこのような不安に陥ったのか?、それは過去の親との関係?、自分の体質?、現在の環境?などと原因を探求したい気持ちが起こります。しか
し残念ながら、不安の原因はひとつのことに還元できません。家族の協力と理解も大切です。薬物療法もある適度の効果はあります。しかし結局その不安とうつからケリをつけるには、不安をしっかりと受け止める心と自分の健康な欲望の発揮です。つまり自然で固有な生き方を見いだすことが本質的な解決になると私は考えています。
- 不安に踏み込む'00.6
- 不安は逃げようとすればするほど、取り除こうとすればするほど、 強くなります。これは自分の心のあり方が不安を自分で強めていくことを物語ってい
ます。不安に直面し、不安に踏み込む心の態度が大切です。それがすでに不安から逃 げようとしない、不安を自分で作り、強めない心の態度に変わって行くことを物語り
ます。そこからは自分の体験です。あ−不安とはこんなものだったのか、自分で体験できるとよいのですが。
- 過去'00.7
- 森田療法では過去をどのように理解するのか、それと現在の関係は、について述べてみます。過去の出来事がその人を悩まし、苦しめるときには、まず「今・現在」をどのようにその人が生きているのかを考えます。私たちはまず今を生きることに行き詰まると、過去が大きな意味を持ってその人に襲いかかります。従って森田療法では(少なくとも私の考えでは)、今を問うことからその治療を始めるわけです。率直に自分の気持ちを伝えられているのかどうか、自分の生き方は、などをまず考えてみたらどうでしょうか。以外に問題の解決は身近にあるものです。
- 「生の欲望」'00.8
- 症状は確かに人にいいにくいもの、しかしそれを率直に相手に伝えることで、自分が楽になることもあります。それと共にいつも症状の背後になる自分の欲望「生の欲望」とは何かと、問うことです。苦手な背後に実は自分がしたいことがあるということは、私たちが自分としての生き方を見つけていく時に重要な観点です。
- 相互のやり取りから学ぶこと'00.9
- お互いの経験を述べて、お互いに学んでそこから自分を客観的に見ると共に問題解決の手がかりをつかんでいきます。この相互のやり取りを通した相互学習がフォ−ラムを始めとする自助的グル−プの特徴です。人から元気をもらいます。これは他の人たちとのやり取りから生まれたものであると共に、このように感じられる能力を示しています。
- パニック発作で悩む'00.10
- パニック発作も最近ではよく聞く悩みのひとつです。ストレスの多い時代の産物かもしれません。普通神経質のところで述べたように、パニック発作の背後には、死の恐怖があったり、自分がコントロ−ルを失ってしまい、とんでもないことをしてしまうのではないか、人前で取り乱すのではないかという恐れをしばしば伴います。それと共に外出恐怖、乗り物恐怖もつきものです。このような恐れを強く抱く人が不安にとらわれ、慢性化しやすい傾向にあります。
以前から強調していることですが、パニックの治療には薬物療法が必要です。しかしパニック発作そのもの、死の恐怖や自分自身を失う恐怖、外出恐怖には薬物療法では限界があり、森田療法が有効です。またパニック障害を治すには、つまりこの神経症にケリを付けるには森田療法が必要です。まず不安は逃げるほど、不安を取り除こうとするほど、不安が強くなるという不安の逆説を身をもって体験することからこの治療は始まります。勇気を持って不安に直面してみてください。幽霊の正体みたり枯れ尾花です。
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