実のところ、森田学派の先輩や私たちはこれまでにもしばしは欧米や中国に森田療法を普及させる努力を続けてきた。しかし、私から見ると中国では大成功をおさめたが、欧米で成功したように思えない。これは恐らく森田療法家のやり方がまずかったのかもしれない。
森田の原本は日本人でも理解困難な用語が沢山でてくる。それをそのまま欧米人に押し付けてもわかってもらえるはずはない。又、精神分析が普及している国では論争を呼ぶだけで実践には至らない。
私は日本人向きの森田療法をまず書くべきだと思って努力してきた。それと同時にアイゼンク教授が言うように「精神療法に批判を加えても駄目である。彼らが死に絶えるのを待つので」と言う気持ちで時期をうかがってきた。
アメリカでは現在、精神分析が落ち目になり、認知療法が盛んになってきたと言われる。認知療法は森田療法を理解している人にとっては、すでに森田療法の中にそっくり包含されているのである。時期的に言えば森田療法がアメリカにも根づく時が来たように思う。
私は今回ジーン先生の主催した講演会は成功だったと思っている。ガン患者に森田療法をと言う切り口が、アメリカ人に受けるのではないかと思ったりする。教科書風に森田療法を説明して回ってもあまり効果を期待できそうにない。ガン患者から森田療法が始まっても良いのじゃないかと思う。
機会があれば何度でもアメリカを訪れたい。