「森田療法」米で実践
がん治療では米国の先頭を行くニューヨークのスローンケタリング記念がんセンターのソシアルワーカー、ジーン・リベンバーグさんは、不安に陥りがちな患者の心をいやすために日本独自の「森田療法」を実践している。
東京慈恵会医大教授だった森田正馬博士が1920年頃確立した精神療法で、不安も悩みも「あるがまま」に受け入れ、日常生活を大事にこなすというのが基本理念。
「米国では、小さい頃から常に将来の自分の理想像を描き、それに向かって努力するよう求められる。だから自分の未来は長くないとわかったがん患者は、生きる意味を見失いがちです。あるがままでよいという考え方は大きな救いになります」
偶然、本屋で森田療法の本を見つけた。「それを読んで、まず自身が救われた」。この療法に沿いつつ悩みを聞いた患者は7年間でざっと6000人にのぼる。定期的に開く勉強会には30人ほどが通ってくるという。
(97年2月12日 朝日新聞/夕刊)
|