【市民の皆様】
[5]森田療法とは

■森田療法では神経症をどう理解するか

森田は神経症は神経質性格を基盤にして、「とらわれの機制」と呼ばれる特有の心理的メカニズムによって発展すると考えました。
そのとらわれの機制とは、第1は「精神交互作用」と呼ばれる機制です。
例えば偶然の機会に心悸亢進が起こると、ことに神経質傾向にある人はそれに強い不安を覚えて心臓部に注意を集中します。その結果益々感覚は鋭敏になり、さらに不安がつのって一層の心悸亢進がもたらされるのです。

精神交互作用とはこのように注意と感覚が悪循環的に作用して症状が増強する機制であり、パニック発作を生ずる心理的メカニズムもこの機制によって説明することができます。また心臓部に限らず身体のどこかに違和感を覚えたとき、神経質の人は過敏に病気を恐れてその部位に注意を向けます。その結果、一層違和感が強く感じられ、益々病気の恐れがつのっていくという悪循環は、心気障害に典型的な心理でもあります。

とらわれの機制の第2は「思想の矛盾」と呼ばれます。一般に神経質性格の人々は不安や恐怖などの感情や身体の感覚を「こうあるべき」「こうあってはならない」という知性でもって解決しようとする構えが強く、そこに不可能を可能にしようとする葛藤が生じるのです。
例えば対人恐怖症(社交恐怖)の1種である赤面恐怖の患者さんは、何かの折りに人前で恥ずかしく感じ顔が赤らむといった当たり前の感情や生理的反応を「ふがいない」「もっと堂々としていなければならない」と考え、恥ずかしがらないように努める結果、かえって自己の羞恥や赤面にとらわれてしまうのです。
特に思想の矛盾は、強迫的な心性に関連が深いと考えられています。


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