B.個々の症状とその対策

j.頭重、頭痛(頭内朦朧感、その他の感覚異常)

頭が始終重い、蓋をかぶっているようだとか、びんと糊で張りつけたようであるとか、頭の中に何か入っているような感じがするとか、頭が痛む、頭がぼんやりして、物事をぴったり感ずることが出来ない。ぐらぐらと眩暈がして今にも倒れそうな気分になる。始終耳鳴りがする、或は自分が自分でないような感じがする。周囲と自分が何となく離れ離れになっているような感じがする。肩が凝ったり、右と左の身体の感じが違っているような感じ、胸がつまっているような感じ、其他種々雑多の症状がある。

かかる神経質症状はすべて注意の捉われ、自己暗示、精神交互作用等に依って発生するものでここに一々説明する程の事もない。
頭のぼんやりしている感じも神経質の人に多い症状であるが、これも外界の事に注意が向かないで、頭の感じに捉われていることから起るのである。一体我々の精神というものは、外界との接触に依って鋭敏に働くもので、外界との接触がなくなると自然にポーとして眠くなるという具合である。私は頭をぼんやりさせようと思えばいつでも出来る。それは、外界の事に注意を向けずに、自分の頭の状態を感じていると直ぐにそうなるのである。神経質の内向的気分において、頭内朦朧感が起るのは当然のことである。

その他外界がぴったりしない感じ、自分が自分でない感じなども矢張り同じ様なことで、誰でも、自分の状態や感じを細かく観察する人なら、ある機会に経験し得ることである。神経質の人はそれに捉われて、症状化しているに過ぎない。
治療の方針は、他の症状におけると同様である。異常感覚があるままに、健康人と同様の忙がしい生活をしなければならぬ。


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